創業115年。広島県竹原市の着物専門店。「着てこそ着物」がモットー。高品質でハイセンスな【本物の着物】を扱っています。

着物のある豊かな人生のご提案

   益吉呉服店

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春・三月(弥生・やよい)装い

3月6日ころ

啓蟄(けいちつ)

3月21日ごろ

春分(しゅんぶん)

三月には、桃の節句がやって来ます。

●啓蟄は冬籠りの虫も、地上に這い出してくるという季節。

春分は昼と夜の長さがほぼ同じ。

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、だんだん寒さが和らいできます。

啓蟄(けいちつ)は穴を啓(ひら)いて虫がでる、という意味。冬眠していた虫たちが陽気に誘われて地表に出てきます。

なので、着物や帯にも虫の柄は「春と秋のお彼岸」あたりからよく描かれています。

春は何と言っても蝶の柄が多いようです。
蝶は、植物の命の元なる花粉や種を運ぶので、若い女性の将来の成長と幸せを祈り、振袖の柄に多く用いられます。

描き疋田(かきびった・【手描きで、絞りのような模様を表現したもの】)の市松模様。蝶が飛んでいます。(キモノ工芸野口)

大胆な椿の柄の加賀友禅の染め帯。

帯留にも、遊び心の桜。
帯揚げにも、桜の地紋。(和小物さくら)

春を待つほんのりピンクの小紋。

帯は塩瀬の染め帯。蘭は季語では秋。でも咲くのは13。「世界らん展日本大賞」も2月末。

帯揚げ、帯〆、帯留は色のトーンを帯の地色と柄の色に合わせてみました。

遠目では無地に見えますが、規則正しい碁盤の目のようなスッキリとした柄です。

今年は桜の開花時期が、かなり早くなりそうです。3月を待たずとも桜の着物を着ましょう。

竹原市 M/N様 街並み保存地区・松坂邸内にて。

最上級のシルクで織ったショールです。保温性を上げるため起毛してあります。友禅でスペイン絞りの柄を染めています。シルク起毛した生地を友禅で染めるのは難しいのですが、生地が良いので発色が抜群です。

着物は奄美の大島紬。桜の花びらで訪問着の柄付けに。

帯は「川勝」の染め帯。
桜の花びらを敷き詰めた柄付けに。
小さな花びらなので目立たなく上品に。

お太鼓の柄も前と同じように小さな花びらで。

3月21日ごろ

春分(しゅんぶん)

4月5ころ
清明(せいめい)

三月は、桜の開花予想が聞こえてきはじめます。

春分を過ぎると花の柄の着物に手を通したくなります。
黄色の連翹(れんぎょう)、蒲公英(たんぽぽ)、白い辛夷(こぶし)、紫色の日本菫(すみれ)、紅色の桜草そして女王の「」。

草花を描いた小紋には、スッキリとした柄の帯を合せましょう。
また、大島や結城などの紬には、花柄の染め帯が上品で、優しい印象になります。
特に桜は花びらからへ、そしてまた花びらに戻り、最後は「匂い」と言ってほのかな紅色の江戸小紋無地染めを着ると、けっこう長く桜を楽しめます。

しかし、まだまだ寒い日があります。
厚手のコートは卒業ですが、春らしいシヨール姿が似合うのもこの季節ならです。

桜の花びらを敷き詰めた着物。
帯は墨色(すみいろの)ビロードの名古屋帯。
(どちらも「工芸キモノ野口」)

帯と帯〆、帯揚げを変えてみました。
帯を変えると随分雰囲気が変わります。

帯留は女流作家による優しいガラス細工

オシャレな半衿。
左右の色が違います。
左がブルー、右がピンク。

帯の地色は桜の木のグレーの色です。桜の木全体を分解すると色んな色が見つかります。

帯は結城紬山形のミノムシで瓢箪(ひょうたん)を表現。

竹原市 Y/K様

山形の「新田工房」の紅花紬

見えにくいですが、草履もお誂えです。
草履も全体を引き締める大切な小物の一つ。

着物はまだ冬の名残り。しかし、帯と小物は先取りして、すでに春。染め帯(キモノ工芸野口)

着ている本人だけでなく、見る人にも春を感じさせてくれます。

着物の地色は暗めに見えますが、ほんのり、紅花の紅の色がにじんでいます。

桜は現代では季節の関係なく、一年中着られる花と言われますが、やはりこの時期の桜の柄の着物は格別です。つぼみの桜、満開の染井吉野、夜桜、しだれ桜、山桜、散りゆく桜、地面に散り敷かれた桜、水面にゆらぐ桜。着物に限らず、帯や帯〆、帯揚げ、草履、バッグ、帯留、半衿、ショールでも桜の柄が楽しめます。

次回は「春4月の装い」です。お楽しみに!